雄大な浅間山を背に歩を進めると、白霧に覆われた稜線が仙人岳、蛇骨岳へと続いている。火山帯特有の赤褐色の岩肌が広がり、噴火によって形成された荒々しい地形が目前に展開する。
岩稜帯では、イワヒバリやウソといった高山性の鳥類に出会うこともあり、静寂の中に生命の気配を感じさせる。天候は移ろいやすく、霧が一面を覆うかと思えば時折視界が開けて稜線の輪郭が浮かび上がる。その往来はさざ波が寄せては返すように、余韻嫋々と棚引いて消失していく。